50MHz Transcever Mk-94 製作記
送信部の各ステージについて

Mk-94 送信回路 マイクアンプ&平衡変調器
マイクからの信号はTA2011S(東芝)で増幅されます。このICにはAGCが内臓されています。これは、マイクコンプレッサの機能となり、無線機のMicアンプ回路として非常にマッチICです。TA2011Sの出力は、バランスドモジュレータであるNJM2594に加わります。一方、DDSでl構成した第2局発から5.997MHzのキャリアと混合され、キャリア分が取り除かれた波が3Pから出力されます。VR1とVR2はバランスを調整する半固定抵抗です


Mk-94 送信クリスタルフィルタ&IFアンプ
NJM2594で作られた、信号はダブルサイドバンドの信号ですので、SSBにするために6MHzのラダー型のクリスタルフィルタに入ります。ここで、アッパーサイドの成分(USB)のみが出力さて、SSB波となります。フィルタは送受信共用ですので、ダイオードスイッチで信号の流れを切り替えています。出来立てのSSB波はFET4の2SK241で10dB程増幅されて、次段に送られます。


Mk-94 送信2ndミキサー
SSB波はVFOからの44MHzのキャリアとこのMixer回路で混合され、50MHz帯の信号になります。約-10dbm(0.1mW)程度の信号が出力されます。さて、SSB波はこのままでよいのですが、CWとAMの場合には、キャリアを出力する必要があります。そこで、これらのモード時には第2局発から再度5.997MHz(AM時)あるいは5.999.2(CW時)を入力に加えています。


Mk-94 キャリアレベルコントロール
各モードのキャリアの注入量をコントロールする回路です。SSBの時キャリアレベルはゼロ、CWは100%、AMは50%程度にする必要があるのですが、CON5に入ってくる制御用のPIC(DISP側)からの信号でリレーと、ダイオードスイッチをON/OFFして抵抗の減衰量を調整します。当初はSSBもダイオードスイッチでOn/OFFしようとしたのですが、リレー(G6Y=オムロンの高周波リレー)を使って、限りなくキャリアレベルを「ゼロ」にしないと、TX 2ndMixerの出力にキャリア漏れが見られました。また、AMモード時のキャリア量調整は非常に微妙で、現在も試行錯誤中です。


Mk-94送信バッファーアンプ
TX 2nd Mixerの出力を、約2-3mWに引き上げます。ただし、発振対策として、入力に6dBのパッドを当てています。元々は3SK114を使ったアンプだったのですが、発振ぎみであるためこの回路に変更しました。


Mk-94 送信プリドライバー
QRP機の終段としてよく使われる、2SC2053(三菱)により、2-3mWの入力を0.1Wから0.15W程度に引き上げています。この時、アイドル電流を15-20mA程度になるようにR20とR21を調整しています。


Mk-94 送信ドライバー
2SC2078によるドライバーアンプです。約1Wの出力が得られていますが、10dB弱に甘んじており、正直ゲイン不足を感じています。2SC1971あたりを使えば、2W程度は固く、結果ファイナル出力は10Wを余裕で超えるはずだったのですが入手難で断念しました。


Mk-94 送信ファイナルアンプ

2SC1945(三菱)によるファイナルアンプです。 この石はCBのファイナル用のTRで、12-13dB程度は6mで稼げるようです。 本機では、ドライバ段の出力が1W程度のため、8W程(とりあえず公称値としています)の出力です。



Mk-94 LPF & S-Mater
終段のLPF(Pi型4段)と、Sメータ回路です。 高調波対策として、当初は3段だったのですが、3倍波が取りきれていなかったので、4段にしました。