50MHz Transciever Mk-94 製作記
部品の入手について


正直なところ、今時アマチュア無線に情熱を傾けている、その上でトランシーバーを自作するなどという人は皆無で、結果として「部品の入手」という点で極めて強い逆風が吹いていています。それも、年々その風速が強まっているというのが実情です。

SSBを出すためには、どうしてもクリスタルフィルタやバランスドモジュレータが、周波数をワンタッチで切り替えるにはPLLDDSが、こうした特殊な部品はもちろんのこと、RF用のコイルやFET/TRなども、どんどん入手できなくなってきています。

まずはこれら主要なパーツが入手できるのか? を調査するところからプロジェクトはスタートしました。

結果下記の結論となり、「現時点では、まだ可能」と判断しました。 

・ コントロールはMk-92で実績のある、PICマイコンとLCD表示機を使う。ただし、必要なI/Oの数がMK-92とは桁違いなので、別型番のPICを使用する必要あり。表示機も、大型のものを使い、周波数表示を大きく、モードなどの情報もすべてここに表示させる。

・ モード切り替えなど、ほとんどのコントロールはキーボードから行う。

・ DDSICはアナログデバイスのものが現行品として入手できる。また、PLLも携帯電話用のものが入手できそう。(実はこの考えは甘かったのですが)

アナログデバイスのDDS用IC

米国の半導体屋から通販したアナログデバイス社製のDDS IC(AD9851)

下の黒いものがICです。SSIPといって極めて小さいパッケージ






・ 周波数の「原発」は秋月電子で入手できるTCXO(温度補償型クリスタルモジュール)を基準発振器とし、MK-92で失敗したような、周波数ズレを起こさせない。
TCXO 12.8MHz

秋月通商から通販購入した温度補償型クリスタルモジュール(TCXO)

原発にこれを使うことで、極めて正確な周波数を得られる








・ VFOやモジュレーションに必要な周波数は、すべてDDSをソフトウエアでコントロールすることで生成する。結果、昔のSSBCW機のような特殊な周波数のクリスタルを特注する必要をなくす。

・ 今時入手困難なクリスタルフィルタの入手に固執せず、素直にラダー型のクリスタルフィルタを自作する。

・ 幸運なことに、製造中止となっているものの、デュアルゲートのFET2SK241のような定番のFETはサトー電気や若松通商で入手可能。同様に、ドライブやハイパワー段のTRも保守品を使うしか手がなさそう。


買い集めた半導体類
ピンク:バラモジ NJM2954
青袋: 3SK114 
緑袋: 2SK241
中央: 3SK183






・ コイルは基本的にFCZコイル。ハイパワー部分はアミドンのトロイダルコア。実際には、これに加えて  サトー電気で扱っている「7sコイルキット」で6MHzのIFTを製作することになりました。
FCZコイルと7sコイルキット

お馴染みFCZコイルとサトー電気から購入した7sコイルキット(下、3点)


7sコイルキットは、上に写っている、0.15φのホルマル線を巻いてコイルを作っていきます。





・ 運良くマルツで現行品のJRC製バラモジICNJM2954」を入手。