最近はやりのLinux、古いPCでも軽く動きまた極めて堅牢なOSとして人気が高い。ころころねっとでもLinuxをかじろうと思い、雑誌の付録についていたTurboLinux4.2を「Mick」=富士通DeskPowerにインストールを試みた。MickのスペックはPentium75MHz(クロックアップして100MHz)、RAM40MB、HDD540MBとWin95が出始めた当時のマシンだ。このままインストールも考えたが、Win95
OSR2.1の環境をどこかに残したかったことと、TurboLinuxのインストールはフルで1GB近いことを知り、Super_Cowかのスペックアップで不要になった、IBM製6.4GB
(型式:DHEA-36481)を利用することにした。
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作業中の風景 |
増設したIBM-DHEA-36481 |
このHDDを、IDEのスレーブに配置しWin95との切り替えはSystem
Commander(以下SC4)を利用することにし、インストール作業を開始。TurboLinuxは他のディストリビューションに比較してインストールが容易とのこと。簡単な選択肢を選択していくだけで、「標準WorkStation
(X-window付き)約650MB」のインストール作業はおよそ1時間で終了した。最後に「再起動」ボタンを押してRebootし、SC4でLinuxを選択した、しかし画面にキャラクターの「LI」という文字が出ただけでハングアップした。
最初は単純にインストールの失敗と思い、再インストール。だが、状況は変わらなかった。
次に疑ったのはSC4、そこでシーゲート製の540MBをはずしIBMをIDEのマスターとして単独で再インストールしたが状態は変わらなかった。ここで、TurboLinuxのホームページにアクセスしてFAQを確認。すると「LI」という文字だけでてハングするのはLinuxのブートマネージャー「LILO」がHDDのシリンダ数の限界1024以内にBootRecordを発見できないことが原因・・という事例集を発見。つまり、BIOSで大容量(Win95のころでは6.4GBは大きい)HDDをうまく認識していないのが根本原因らしい。
さて、対策であるが、これはマシンのBIOSをLBA対応(Long…)にするしかないようだ。さっそく、富士通のHPでダウンロードを試みるも、98年発売以後の製品しかBIOSアップデート用プログラムの登録がなかった。
次に、このPCのマザーボード(MB)は当然富士通の独自設計などではなく、多分台湾メーカのOEM(相手先ブランドによる製造)であるはずだ。BIOSのFlash-ROMに貼り付けてあるシールには「Acer」の名前が・・またMBの型式はシルク文字から「V12LC」というらしい。早速、AcerのHPへ、あったあった、V12LCの最新BIOS revはR4-E8となっており、現状はR3-A0とういうVersionで、かなりあがっているようだ。
これは期待できそうだ。BIOSデータとBIOSをアップデートするUtility
「Aflash.exe」のV2.15をいっしょにダウンして、早速英語DOSで立ち上げてみる。
しかし、Aflashを起動しても、左上にプロンプトが点滅するだけで、Hang-up……
この日はあきらめて、遊んでいた730MBのHDDにTurboLinuxをインストール(サーバーセットのみ
X-windowなし)して、とりあえずLinuxが触れる環境だけを作った。
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BIOS用のFlash-ROM |
数日たったある日、同じ事例がないか検索してみることにした。Infoseekで「富士通PCのBIOSアップデート」という項目で検索したところ。ある個人のHPで、「Aflash
Ver2.15」は富士通用の基板では使えない、V2.1以下で行う必要があるという情報を入手。
早速、Acer HPへ、ただ古いVerのプログラムは登録されていないのか、HTTP上では出てこない。あれこれ探した結果、最終的にはAcerドイツのFTPで発見。
書き込みの失敗を恐れて、一度FlashROMをはずし「ROM焼きだいじょうぶ」をかませる。これで失敗しても、スイッチ一つでもとに戻せる
いよいよ、Aflashを立ち上げると、ブルーのスクリーンに変わり・・動くではないか。現状のR3-A0をファイル化して、updateとしてやるとわずか1分で作業完了。UpdateのIDEの設定項目には、「32bit
Disk Accress」の項目が追加。どうやらLBAモードが追加されたようだ。
これで勝ったと、TurboLinuxの再インストールを試みる、ところが今度はFDDが認識せず、Boot
用のフロッピーが読めない。BIOSをもとに戻すと、FDDは正常に戻るため、BIOSのプログラム内容が原因と思われる。ここで、AcerのHPにアクセスして、MB(V12LC)のマニュアルをDW。ジャンパー設定を確認する。すると、「BIOS
jumper」なる切り替えポストがあり、「OEM or
Acer」となっている。だが、ここをAcer側にしても、状態は変わらず、万事休すのようだ。最後に実験用PC「CT-10」にDHEA-36481を繋ぎ、CT-10でLinuxをインストールしたものを、「Mick」に繋ぎ直し、何とか6.4GBで使えるように。
HDDを増設するだけにこうも時間をとられるとは…