JAと違って基本的に受験申請を事前にする必要はありません。(ただし、日本での試験は事前連絡要の場合が多いです)また受験料も試験当日、現金で収めます。(当局の時は$10でした) まず、貴局の渡米スケジュールと場所から、利用できそうな試験会場を割り出す必要があります。FCCの試験はVE(ボランティアイグザミナ)といって、実際のアマチュア無線家がボランティアで試験の管理運営をしています。
彼らは数人のローカル局でVEグループを作り、それぞれの地元で定期的に(月に1回か2回が多いようです)試験を実施します。ほとんどの試験は土曜日か日曜日なので、かの地で仕事を休む必要は小さいと思います。これら開催スケジュールはARRL又はW5YIのHPにアクセスして、試験情報を引き出します。
HPの情報の中で「Walk ins」とあるのは、「飛び込み受験者OK」ということだそうです。こう書いてあっても、そのVEに対して、「○月×日の試験に日本人の△△がいくからよろしく!」というメールくらいは打っておいたほうがいいでしょう。
ところで、このHPを見ていくとおわかりのように、日本国内でもFCC試験が行われており、日本人VEグループがそれぞれの地区でご活躍されていることを付け加えておきます。現地のアドレスが既に決まっていれば、日本国内で試験を受験して合格後に渡米すれば、すぐに現地で無線ができることになります。
試験内容の話の前に、FCCの試験は当然「英語」での試験です。よって、基本的な英文読解力は当然必要です。かといって「TOEIC XXX点レベルはないと・・」といったシリアスなハードルが必要とは思えません。JAの国試同様「丸暗記」がきくからです。すべての問題は「Question Pools」と呼ばれる問題集からそのまま出題されます。よって、細かな英語表現がわからなくても「パターン認識−>こういう問題はこの答え(でも答えの順番は変えられるので、番号で覚えてもムダ)」で回答することができます。ただし、問題量は相当のものと覚悟してください。特に1回の試験でElement2から4までを受験される方は、1000問近くの問題に対峙(or暗記?)することになります。
Question PoolはARRLのHPからダウンロードすることができます。まあ、これを打ち出して覚えていけば「合格」するのでしょうが「あまりに味気ない・試験とはいえ、趣味なのだから過程も楽しみたい」とするOMさんにはARRLが出している書籍を購入されることをお勧めします。法規はもとより工学の解説でもJAのそれと切り口が異なっていたり、聞いたこともない物理現象やアンテナ(単に当局の勉強不足!)が問題になっていて興味深いです。
このQuestion Poolですが、結構変更されているので注意が必要です。せっかく勉強して試験に臨んでも、問題用紙を見たとたん「なんだこれは!」ということになりかねません。例えば、Element4はこの7月(2002年)に一部内容が変わったばかりでなく問題量が増えました。
各Element中には更にSubElementという章にわかれています。これは、Chapter(章)のようなもので、例えばElement3(General)のSub
element G1は「Commission's Rules(電波法)」、G2は「Operating Procedures(通信方法)」という具合です。そして、各SubElementから何問出題されるかまで決まっています。
また、実際の試験問題ですがJAの国試とその出題方法が異なります。JAでは法規は法規の問題ブロック(用紙?)、工学は工学の問題ブロックにきっちりわかれています。一方、FCC試験では法規・工学が1つの問題用紙にミックスされ且つSubElementの順番もごちゃまぜです。例えば、1問目がいきなり工学の電気回路計算の問題、2問目に運用が許可されている周波数帯域を問う法規の問題、次にスペクトラム拡散のメリットとは?・・といった感じです。これに違和感を覚えるOMが多いと聞きます。